屋号『山只』。寛政六年(1794)、初代藤兵衛が、分家し『何も無いところから生み出す。』ということを意識し、己を戒める為に付けた屋号です。文字通り初代藤兵衛は無一文でした。
『何も無いところから生み出す。』とは、窯に始まり、窯道具。すべてを作る事から始まります。『高田の土をよく知る事』、そして『独創と革新』。それが、歴代藤兵衛に引き継がれてきた哲学であり『山只』ブランドの原点です。
山只華陶苑
藤兵衛窯七代目 加藤 智也
国際的な陶芸コンテスト「長三賞展」大賞 朝日陶芸展、陶芸財団展、陶芸ビエンナーレなど、数々の展覧会で受賞する気鋭アーティストとしても活躍している。「摺り鉢」に施される「波紋櫛目」にたどりつくまで、研究と鍛錬を重ね、8年ごしで本品を完成させた。
「波紋櫛目」とは、西暦2000年に藤兵窯七代目が「摺り鉢」の波紋の改良を思い立ち、完成させたデザインである。すり鉢の目は直線に引かれているのが普通だが、美しい曲線を描いている。波紋にすることで、摺っている間に材料が上に逃げることがなくなり、摺りあがりのキメが細かくなる。更に、従来の直線の目のすり鉢は、行程の関係で右回しの方が良く摺れるのだが、波の文様にすることで右回し左回しでも同様に摺ることができる。